いざというときに頼りになる雇用保険の目的と給付の種類

雇用保険は、失業保険、育児休業給付、介護休業給付など、いざというときに頼りになる、働く人にとってメリットの大きい保険制度です。

今回は、雇用保険を解説していきますので、雇用保険の給付の種類とメリットを確認して、いざというときに制度を活用できるようにしましょう。

目次

雇用保険の目的

雇用保険の最大の目的は、失業したときの再就職支援と、失業、育児や介護、定年後の再雇用によって収入が減少した労働者の生活を守り、支援することです。

労働者が失業したときの生活や再就職の支援を行う、いわゆる失業保険は広く知られています。失業保険以外にも、育児休業給付金、介護休業給付金、高年齢雇用継続基本給付金、といった給付制度や、失業者の資格取得やスキルアップを図るための公共職業訓練の受講、教育訓練給付制度があります。

 

雇用保険の加入者の種類

下記の3点を満たす労働者は、雇用保険の加入が義務づけられています。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 最低31日以上働く見込み
  • 学生ではない

「正社員」「契約社員」「パートタイマー」「アルバイト」と、どの雇用形態の方でも、上記3点の要件を満たす場合は、会社が雇用保険の加入手続きを行うことで、毎月の給与から雇用保険の保険料が徴収されます。

雇用保険の加入者を雇用保険被保険者といいます。雇用保険被保険者は、雇用の形態や年齢などによって4種類に分けられており、その種類によって雇用保険の中で受給できる制度が決められています。

  • 一般被保険者:65歳未満の期間の定めがなく雇用されている労働者、または、採用から1年以上継続して雇用される見込みの労働者で、週20時間以上勤務するパートタイマーやアルバイトを含む一般的な労働者
  • 高年齢継続被保険者:65歳になる前から同じ会社のもとで働いている労働者
  • 短期雇用特例被保険者:季節的に雇用される日雇労働被保険者以外の労働者で、4か月以内の期間を定めて雇用され、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者
  • 日雇労働被保険者:日々または30日以内の期間を定めて適用事業所に雇用される労働者

 

雇用保険の保険料の計算方法

雇用保険の保険料率は、働いている会社の事業内容によって異なり、保険料率は毎年見直されます。

労働者が負担する令和3年度の雇用保険の保険料率は、一般事業で1000分の3、農林水産・清酒製造事業で1000分の4、建設事業で1000分の4です。

つまり、一般事業の会社で働いている大多数の労働者が納付する雇用保険の月額保険料は、1か月の給与額が20万円の方で、200,000×0.003=600円となります。

健康保険や厚生年金と比較すると、納付する保険料は少額ですが、失業保険、育児休業給付、介護休業給付など、いざというときに頼りになる保険制度です。

パートタイマーの方、学生を除くアルバイトの方で1週間の労働時間が20時間前後の方は、雇用保険の加入を前提に働かれることをおすすめします。
雇用保険の保険料率は、「厚生労働省のホームページ」から確認できます。

 

雇用保険の給付の種類

雇用保険の給付は、大きく4つに分かれます。

  • 求職者給付
  • 就職促進給付
  • 教育訓練給付
  • 雇用維持給付

 

求職者給付

  • 失業保険(基本手当):雇用保険の中で一番利用されている、失業中に給付される手当です。
  • 技能習得手当:失業保険の受給資格者が、指定の公共職業訓練を受講するときに、失業手当とは別に受給できる手当で、受講手当と通諸手当があります。
  • 寄宿手当:公共職業訓練を受講するために、家族と別居して寄宿する場合に支給される手当です。
  • 傷病手当:求職の申し込みを行った失業保険の受給者が、病気やケガのために15日間以上継続して仕事につけないときに支給される手当です。
  • 高年齢求職者給付金:高年齢継続被保険者が失業したときに、雇用保険の加入期間に応じて支給される手当です。
  • 特例一時金:短期雇用特例被保険者が失業したときに支給される手当です。
  • 日雇労働求職者給付金:日雇労働被保険者が失業したときに支給される手当です。

 

就職促進給付

  • 再就職手当:失業保険の支給日数が所定給付日数の3分の1以上残っているときに、雇用保険の被保険者となるなどの安定した職業に就いたときに支給される手当です。
  • 就業手当:再就職手当の支給対象とならない雇用契約で就職したときに支給される手当です。
  • 就業促進定着手当:再就職後の一定期間の賃金が退職前の賃金を下回っているときに支給される手当です。
  • 常用就職支度手当:障害のある方など就職が困難な方が、安定した職業に就いた場合に支給される手当です。
  • 広域就職活動費:失業保険の待期期間後に、広域就職活動を開始したり、ハローワークの紹介で求職活動のために遠方の事業所に訪問するといったときに支給される手当です。
  • 短期就職訓練受講費:ハローワークの職業指導により、再就職に必要な教育訓練を受けて終了したときに、支払った教育訓練費の一定額が支給される手当です。
  • 求職活動関係役務利用費:求人者との面接や教育訓練のため、子の保育サービスなどを利用したときに、本人が負担したサービスの費用の一部が支給される手当です。

 

教育訓練給付

  • 教育訓練給付:労働者の主体的な能力開発への取り組みや、中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的に、教育訓練に支払った費用の一部が支給される手当です。

 

雇用維持給付

  • 高年齢雇用継続基本給付:失業保険を受給していない60歳から65歳までの高齢者で、60歳到達時点に比べて賃金が75%未満に低下した状態で働いている場合に、賃金の最大15%が支給される手当です。
  • 育児休業給付:1歳または1歳2か月(保育所に入れない場合は、1歳6か月または2歳)未満の子を養育するための育児休業中に、要件を満たした場合に支給される手当です。
  • 介護休業給付:家族を介護するために介護休業を取得した期間中に、要件を満たした場合に支給される手当です。

 

まとめ

今回は、雇用保険の目的と給付の種類について解説しました。

雇用保険の保険料は、健康保険の保険料や厚生年金の保険料と比較すると非常に少額ですが、「失業保険」「教育訓練給付」「育児休業給付」「介護休業給付」といった、いざというときに頼りになる保険制度です。

パートタイマーの方、学生を除くアルバイトの方で1週間の労働時間が20時間前後の方は、雇用保険の加入を前提に働くことを検討しましょう。

 

以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後も、働く人に知っておいてほしい様々な情報を掲載していきます。

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