ハラスメントを受けたときの対応とハラスメントの種類

ハラスメントとは、相手の意思に関係なく、言葉や行動によって、相手を不快にさせる、尊厳を傷つける、不利益を与える、脅威を与えるといった、いやがらせ・いじめのことです。

今回は、ハラスメントを受けたときの対応と、職場に関連する代表的なハラスメントの種類を解説します。

目次

ハラスメントを受けたときの対応

ハラスメントを受けたときは、信頼できる人に相談しましょう。人に相談することで、ストレスを軽減できます。

「1人で我慢する」「相手を無視する」「受け流す」というような対応だけでは状況を改善することは困難です。ハラスメントによって我慢できない状況に追い込まれたときは、相手に自分の意思を伝えるか、会社や上司・同僚や労働組合に相談しましょう。周りに相談できる人がいなければ、労働局・労働基準監督署の総合労働相談コーナーに相談しましょう。

「眠れない」「ぼんやりする時間が増えた」「同じことばかり考えている」「イライラする」といった、普段と異なる行動が増えているときは、ストレスが原因で精神的に追い詰められている可能性が高くなります。

そのような状況を長期間放置すると、病んでしまい可能性が高くなります。また、精神的に追い詰められているときは、「心療内科の受診を検討する」「休職を検討する」といった、ストレスを解消する手段を検討しましょう。

自分の人生です。病んでしまってからでは遅いです。あまり自分を追い込みすぎないように、早めに対処しましょう。

心療内科を受診して、「適応障害」「パニック障害」と診断されたときは、診断書の作成を依頼して、今後の勤務について、会社や上司に相談しましょう。診断書の内容によっては、傷病手当を受給しながら長期間の休職が可能です。

また、「適応障害」「パニック障害」のまま治療せず放置してしまうと、うつ病に移行する可能性が高くなります。うつ病を発症してしまうとその後の完治が難しくなりますので、定期的に治療を受けましょう。

 

ハラスメントが原因で退職に追い込まれたときの対応

ハラスメントが原因で退職に追い込まれそうなときは、ハローワークでの失業保険の認定時に「特定理由離職者」と認定されるよう準備しましょう。特定理由離職者に認定されると、失業保険の支給対象日や所定給付日数が大きく変わります。

失業保険の特定理由離職者に認定されるには、ハラスメントが原因で退職に追い込まれたという裏付けが必要です。早い段階で会社に申し立てを行い、労働局または労働基準監督署の総合労働相談コーナーに相談しましょう。

失業保険については、「失業保険の受給日数と会社都合退職・自己都合退職について」で解説しています。
お近くの総合労働相談コーナーは、「厚生労働省のホームページ」から確認できます。

 

パワハラ(パワー・ハラスメント)

職場のハラスメントの中で、受けた人のダメージが大きいハラスメントの一つです。

  • 身体的な攻撃:相手に暴力を振るう行為のことで、殴る、蹴るなどの行為のほか、物にあたり投げつけたりするなどもこのタイプに該当します。
  • 精神的な攻撃:言葉によって、相手に苦痛を与える行為のことで、怒鳴りつけたり、侮辱したり、ほかの人がいる前で延々と叱ったりするなどもこのタイプに該当します。
  • 人間関係からの切り離し:相手が職場で孤立するように仕向ける行為のことで、必要な連絡事項を伝えないなどもこのタイプに該当します。
  • 過大な要求:相手の能力を超えた仕事を要求する行為のことで、終わりそうもない仕事を与え続けたり、達成不可能なノルマを課す行為もこのタイプに該当します。
  • 過小な要求:過大な要求の反対で、能力や経験に見合わない雑用のみをさせたり、仕事を与えない、管理職に誰でもできる業務をさせるといった行為もこのタイプに該当します。
  • 個の侵害:私的なことに過度に立ち入ったり、職場外での継続的な監視などがこのタイプに該当します。

 

セクハラ(セクシャル・ハラスメント)

職場のハラスメントの中で、パワハラと同じく、受けた人のダメージが大きいハラスメントの一つです。

セクハラの対象となる場所は、職場、取引先、打ち合わせなどで使用する飲食店、顧客の自宅なども含まれます。

セクハラは、対価型と環境型に分かれます。

  • 対価型:セクシャル・ハラスメントを拒否したことに対して、評価を低くしたり人事異動を行うといった行為が該当します。
  • 環境型:体に触れたり、性的な発言によって不快な思いをさせたり、性的な掲示物を掲示することで職場環境を悪化させるなどの行為が該当します。

 

職場に関連する代表的なハラスメント

  • モラハラ(モラル・ハラスメント):無視や怒り続けるといった、態度や言葉によって人格や尊厳を傷つけたり、職場環境を悪化させる行為のことです。
  • カスハラ(カスタマー・ハラスメント):消費者の自己中心的で理不尽な要求といった、いやがらせ行為のことです。
  • ジェンハラ(ジェンダー・ハラスメント):性への固定観念や差別意識によるいやがらせ行為のことです。また、性別で評価を下げたりする行為も対象となります。広義のセクシャル・ハラスメントともされています。
  • マタハラ(マタニティー・ハラスメント):妊娠中や出産した女性に対する就業制限やいやがらせ行為のことです。
  • パタハラ(パタニティー・ハラスメント):育児休暇を取得しようとする男性に対するいやがらせ行為のことです。
  • ジタハラ(ジタン・ハラスメント):具体的な改善策を示さずに、労働時間の削減のみを要求する行為のことです。
  • リスハラ(リストラ・ハラスメント):リストラの対象者に対するいやがらせ行為のことです。
  • スメハラ(スメル・ハラスメント):匂いによって他人を不快にさせる行為のことです。
  • エアハラ(エアー・ハラスメント):意図的に場の雰囲気が悪くなるような発言や行動を行う行為と、空調に関するいやがらせ行為の2種類があります。
  • ケアハラ(ケア・ハラスメント):家族の介護をしている労働者へのいやがらせ行為のことです。
  • セカハラ(セカンド・ハラスメント):ハラスメントを受けた被害者が、そのハラスメントを会社に訴えた後に、会社から訴えたことに対してさらに圧力を受ける行為のことです。
  • アルハラ(アルコール・ハラスメント):飲酒の強要、一気飲みの強要、意図的な酔いつぶしなど、酔った状況での迷惑な発言や行為のことです。
  • ソーハラ(ソーシャル・ハラスメント):SNSで友人登録を強要したり、投稿を随時チェックしてコメントする、自分の投稿に対するコメントを強要するといった、プレッシャーを与える行為のことです。
  • スモハラ(スモーク・ハラスメント):喫煙者が非喫煙者に対して、喫煙することを強制したり、タバコの煙を受動させるといった、喫煙に関するいやがらせ行為のことです。

ハラスメントは、行った人の思いは関係なく、受けた人が「どう感じるか」「何を思うか」で決まります。受けた人がハラスメントと思った行為は、ハラスメントになります。

自分が加害者とならないよう、常に相手への思いやりと配慮をもって行動しましょう。

 

まとめ

今回は、ハラスメントを受けたときの対応を中心に解説しました。

ハラスメントは、いやがらせ・いじめです。ハラスメントを受けたときは、まずは1人で抱え込まず誰かに相談しましょう。また、長期間精神的に追い詰められているときは、心療内科の受診もしくは、長期間の休職を検討しましょう。

ハラスメントが原因で退職に追い込まれそうなときは、ハローワークでの失業保険の認定時に「特定理由離職者」と認定されるよう準備しましょう。

 

以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後も、働く人に知っておいてほしい様々な情報を掲載していきます。

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