仕事が原因でケガをしたときに申請する労災(労働災害)について

仕事中の事故でケガをしたときや、職場でのストレスやハラスメントなどが原因で精神障碍と診断されて、4日以上就労できなくなったときは、労災(労働災害)による補償を受けることができます。

労災(労働災害)の仕組みと申請の流れを理解して、制度を有効に活用しましょう。

目次

労災(労働災害)認定とは

仕事中の事故でケガをしたとき(通勤途中の交通事故を含む)や、ストレスやハラスメントなどが原因で精神障碍と診断されたときは、労災(労働災害)として労働基準監督署の認定を受けることで、ケガの治療にかかる費用や、入院や通院で仕事ができなくなることによる所得の減少に対して、労災保険から補償を受けることが可能となります。

労災申請の手続きは、ケガをした本人や遺族の方、会社が申請の手続きを代行する場合もあります。

 

労災の申請について

仕事中の事故でケガをしたときや精神障碍と診断されたときは、速やかに会社に報告しましょう。

  • ケガをした労働者の氏名
  • ケガをした日時
  • ケガをした本人以外に状況を把握している方の氏名
  • 事故の状況
  • ケガの状況と部位

仕事中の事故で治療を受ける病院が労災病院の場合は、病院の窓口で労災であることを伝えることで、健康保険証を提示せずに治療を受けることができます(治療費を支払う必要はありません)。

治療を受ける病院が労災病院ではない場合や、労災であることを伝えられず健康保険証を提示して治療を受けた場合は、後から労災申請して認定されることで、支払った治療費の還付を受けることができます。

療養補償給付について

療養補償給付とは、労災でケガをしたときや精神障碍と診断されたときに、労災病院での治療や薬の処方を自己負担することなく受けることができる制度です。

労災病院以外で治療を受けた場合は、一旦治療費を窓口で支払う必要がありますが、後から労災申請・認定されることで、支払った治療費は還付されます。

労災病院以外で労災と伝えて治療を受けたときの治療費は、健康保険が適用されないため、支払う金額が全額負担と高額となります。後から労災申請・認定されることで、支払った治療費は還付されますが、高額な治療費の立て替え払いを回避したい場合は、労災病院で受診するか、一旦健康保険を利用して治療を行ったあとに労災保険への切り替えをお願いしましょう。

休業補償給付について

休業補償給付とは、労働災害によるケガや精神障碍の療養のために会社を休業したときに、休業した分の賃金の補償を受けることができる制度です。

休業補償給付の算出は、

  • 休業4日目より休業直前の3か月分の日割り計算した金額(給付基礎日額)の6割を支給
  • 休業特別支給金として、休業1日につき給付基礎日額の2割を支給
  • 休業した日数分だけ支給(待期期間の3日間を除く)

ですから、給付基礎日額の8割に当たる額×休業日数の額の補償を受けることができます。

また、休業してから3日目までの待期期間については、会社が1日につき平均賃金の6割以上を保障する義務があります。

休業補償給付以外にも、ケガの影響で障碍が残ったときに支給される障碍補償給付や、介護補償給付、遺族補償給付、葬祭料といった給付制度があります。

労災保険給付の種類と申請の時効について

労災申請は、補償の内容ごとに時効があります。労災が発生したときは、速やかに申請しましょう。

  • 療養補償給付の時効期限:2年 ※起算日は療養に関する費用を支払った日ごとにその翌日
  • 休業補償給付の時効期限:2年 ※起算日は賃金の支払いを受けない日ごとにその翌日
  • 介護補償給付の時効期限:2年 ※起算日は介護給付対象月の翌月1日
  • 葬祭料の時効期限:2年 ※起算日は労働者が死亡した日の翌日
  • 障害補償給付の時効期限:5年 ※起算日はケガの治った日の翌日
  • 遺族補償給付の時効期限:5年 ※起算日は労働者が死亡した日の翌日

傷病補償年金については、労働基準監督署長の裁量により支給されるため、請求に対する時効はありません。

労災保険の調査と認定されなかったときの対応

労働基準監督署に労災申請に関する書類を提出すると、提出した書類を基に、労働基準監督署の職員が勤務先や治療を受けた病院などに対して調査を行います。

労働基準監督署の調査が終わると、その事故が労災にあたるかどうかを労働基準監督署長が判断します。

労災認定されなかったときに、その決定に納得できない・不服がある場合は、労働局の労働災害補償保険審査官に審査請求を行うことができます。この請求は、労災認定されなかったときから3か月以内に請求する必要があります。

審査請求を行っても認定結果が変わらない場合は、決定より2か月以内に労働保険審査会に再審請求をすることができ、それでも結果が覆らなかった場合は、裁判所における訴訟手続きを行うことができます。ただ、実際には労働基準監督署の決定を覆すのは大変難しくなります。

 

まとめ

今回は、労災(労働災害)について解説しました。

労災保険給付は、仕事中のケガ、ハラスメントなどが原因で精神障碍と診断されたときに、治療費や入院・通院で仕事ができなくなることによる所得の減少などを補償する制度です。

労災には、労働基準監督署の認定が必要です。また、補償の内容ごとに時効がありますので、速やかに申請しましょう。

労災保険については、「厚生労働省のホームページのお仕事でのケガ等には、労災保険!」から確認できます。
精神障碍の労災認定については、「厚生労働省の精神障碍の労災認定」から確認できます。

 

以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後も、働く人に知っておいてほしい様々な情報を掲載していきます。

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