雇用保険には、失業中の方が、就職に必要なスキルアップや知識を無料で習得できる「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」があります。
また、厚生労働大臣の指定講座に限定されますが、入学金や受講料の最大40%までの給付金の受給ができる「教育訓練給付制度」があります。
資格取得やスキルを身につけたい方には非常に頼りになる制度です。仕事をしている方、失業中の方も、制度を上手に活用して再就職にいかしましょう。
公共職業訓練
公共職業訓練は、主に失業保険を受給している方を対象に、失業保険を受給しながら、無料で就職に必要なスキルアップを図ることができる制度です。
公共職業訓練を利用すると、職業訓練機関がハローワークと連携して就職先を紹介してくれる場合もあり、比較的スムーズに就職先を見つけやすくなります。
受講期間中は、失業保険に追加して、技能習得手当が支給されます。
さらに、公共職業訓練を受講している期間中は、所定給付日数をすべて消化した後も失業保険の給付を職業訓練の終了まで延長できる、訓練延長給付を受けることができ、技能習得手当も引き続き支給される大変お得な制度です。
ただし、失業保険の支給残日数によっては、訓練延長給付を受けることができない場合もあります。
求職者支援訓練
求職者支援訓練は、主に失業保険を受給できない方(受給が終わった方も含む)を対象に、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料で就職に必要なスキルアップを図ることができる制度です。
ただし、求職者支援訓練の生活支援の給付金には受給要件があります。
給付金を受給しながら訓練を受講できる方
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失業保険の受給がない離職者
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フリーランス・自営業を廃業した方
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失業保険の受給が終了した方
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一定額以下の収入のパートタイムで働きながら、正社員への転職を目指している方(在職者)
給付金を受給できずに訓練を受講できる方
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親や配偶者と同居していて、一定の世帯収入がある方(親と同居している未就職の方など)
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働いていて一定の収入のある方(フリーランスで働きながら、正社員への転職を目指す方など)
公共職業訓練・求職者支援訓練の申し込みの流れ
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ハローワークの窓口で、利用できる制度や応募のあるコースについて相談します。
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公共職業訓練・求職者支援訓練の申し込みは、職業訓練機関の指定する受講申込書に必要事項を記入して、ハローワークの窓口に提出します。
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職業訓練機関のパンフレットやホームページで受講項目をチェックして、筆記試験、面接を受けます。
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職業訓練機関から合格通知を受け取ったら、ハローワークで受講の「あっせん」を受けて申し込みの手続きを行います。
ハローワークの「あっせん」を受けることができる方は、「職業訓練を受講することが再就職するために必要であると認められる方」「職業訓練を受けるために必要な能力等を有するとハローワークが判断した方」です。
公共職業訓練・求職者支援訓練を利用するには、ハローワークの「あっせん」を受ける必要があるため、事前にどの職業に就くために、どの科目でどんなスキルを身につけたいのかを、ハローワークの職員に伝えておく必要があります。
また、開講コースにはそれぞれ募集期間と定員が設定されています。受講を希望するときは、退職する前にハローワークの窓口で職員に相談した上で、退職日を設定するようにしましょう。
公共職業訓練・求職者支援訓練を利用するときの注意点
公共職業訓練・求職者支援訓練を利用するときの注意点として、原則1度受講すると訓練終了から1年間はほかのコースを受講できません。また、受講を決定したコースを途中で変更することもできないため、一度の就職で利用できる公共職業訓練は実質1コースのみとなります。
公共職業訓練の科目
公共職業訓練の科目は、事務、設備、サービス、設計、機械、電気工事、医療、介護など多岐にわたります。なかには、園芸やハウスサービスなどもあり、今の時代のニーズに即した科目もあります。
具体的な科目は、ハローワークのホームページ、ハローワークに設置されているチラシやパンフレットで確認できますし、下記からも確認できます。
また、各職業訓練機関で行われる説明会や見学会などにも参加できます。
教育訓練給付制度
雇用保険には、労働者のスキルアップを図るための教育訓練給付制度があります。
この制度は、労働者の自己啓発を支援することで、スキルアップと同時に、再就職の促進を図ることを目的とした制度です。
教育訓練給付制度の対象は、厚生労働大臣の指定講座に限られていますが、国家資格取得講座、情報関係や事務関係の資格試験講座、技術・技能講習、専門職学位課程といった講座などがあります。
教育訓練給付金の上限額
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一般教育訓練給付金は、受講費用の20%、上限額は10万円です。
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専門実践教育訓練給付金は、受講費用の40%、上限額は年間32万円です。ただし、資格取得が就職に結びついたときは、受講費用の20%が追加給付され、上限は年間48万円となります。
給付期間は、原則2年間ですが、資格取得に結びついたときは、最大3年間まで延長されます。
教育訓練給付制度の支給対象者
一般教育訓練給付制度は、受講開始日時点で、雇用保険の加入期間が3年以上(初めて受給の場合は1年以上)、前回の教育訓練給付制度の受給から今回まで3年以上経過している必要があります。
専門実践教育訓練給付制度は、受講開始日時点で、雇用保険の加入期間が10年以上(初めて受給の場合は2年以上)、前回の教育訓練給付制度の受給から今回まで10年以上経過している必要があります。
教育訓練給付制度の申請
教育訓練給付制度の支給申請の手続きは、教育訓練を受講した本人が受講終了後、本人が居住地を管轄するハローワークに対して、下記の書類を提出することによって行います。
申請の時期は、教育訓練の受講終了日の翌日から1か月以内に手続きを行う必要があります。また、申請は1講座のみとなります。
提出書類
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教育訓練給付金申請書
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教育訓練終了証明書
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領収書
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身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード)
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雇用保険被保険者証
教育訓練給付制度の指定講座
教育訓練給付制度の指定講座は下記より検索できます。
まとめ
今回は、公共職業訓練と求職者支援訓練、教育訓練給付制度について解説しました。
特に、公共職業訓練は非常にお得な制度で、失業保険を受給しながら無料で就職に必要なスキルアップを図ることができます。また、職業訓練機関がハローワークと連携して就職先を紹介してくれる場合もあり、比較的スムーズに就職先を見つけやすくなります。
公共職業訓練を利用するには、ハローワークの「あっせん」を受ける必要がありますので、事前にどの職業に就くために、どの科目でどんなスキルを身につけたいのかを、ハローワークの職員に伝えておきましょう。
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も、働く人に知っておいてほしい様々な情報を掲載していきます。