失業保険とは、失業した人が再就職するまでの期間に、経済的な支援を受けることができる制度です。
失業保険は、利用する方が多く、失業期間中の生活に大きな影響を与えますので、下記の3回に分けて詳しく解説します。
「失業保険の退職理由(自己都合・会社都合)による受給日数の違い」
「失業保険の基本手当日額と受給期間、受給時に注意すること」
「失業保険の受給要件と受給手続き、失業中の求職活動について」
今回は、「失業保険の基本手当日額と受給期間、受給時に注意すること」ということで、失業保険の基本手当日額を中心に解説していきます。
失業保険の基本手当日額
失業期間中に受給できる失業保険の総額は、基本手当日額(1日当たりの額)に所定給付日数(失業保険を受給できる最高日数)を掛けることで算出できます。
基本手当日額の計算では、退職直前の6か月の給与総額(基本給、各種手当、通勤手当を含めた総額)を180(30日×6か月)で割って賃金日額(1日当たりの額)を算出し、その賃金日額の一定割合(45%~80%)を失業保険の基本手当日額として決定します。
この基本手当日額に28(4週間分)を掛けると、失業保険の1回分の受給金額が算出できます。
退職直前の6か月の給与総額には、退職金、臨時の賃金、年3回までの賞与は含まれません。
また、基本手当日額には、最低限度額(一律2,059円)と、最高限度額(年齢によって異なります)がそれぞれ決められています。
基本手当日額の一覧
賃金日額 | 29歳以下・65歳以上 | 30歳~44歳 | 45歳~59歳 | 60歳~64歳 |
2,574円 | 2,059円 | 2,059円 | 2,059円 | 2,059円 |
5,022円 | 4,015円 | 4,015円 | 4,015円 | 4,014円 |
6,949円 | 5,007円 | 5,007円 | 5,007円 | 4,783円 |
11,091円 | 6,108円 | 6,108円 | 6,108円 | 4,991円 |
13,690円 | 6,845円 | 6,845円 | 6,845円 | 6,160円 |
15,210円 | 6,845円 | 7,605円 | 7,605円 | 6,844円 |
15,970円 | 6,845円 | 7,605円 | 7,985円 | 7,186円 |
16,740円 | 6,845円 | 7,605円 | 8,370円 | 7,186円 |
給与明細を確認しましょう
給与明細には、基本給、各種手当のほかに、所得税、住民税、健康保険、厚生年金、所得税、住民税といった控除額、勤務日数、残業時間などが記載されています。
失業保険の支給基準となる基本手当日額の計算では、退職直前の6か月の給与総額(基本給、各種手当、通勤手当を含めた総額)が基準となりますので、過去6か月の給与明細で、6か月の給与総額を確認することができます。
失業保険の受給期間
失業保険の受給期間は、退職日の翌日から原則1年間で、この期間内に所定給付日数を限度に失業保険が支給されます。
ですから、離職後しばらくしてから失業保険の受給の手続きを行ったときは、受給期間満了日(1年間)以降に所定給付日数が残っていても、残った所定給付日数分は支給されません。
ただし、病気やケガなど一定の要件に該当する場合は、本人の申し出によりこの受給期間を延長することができます。
失業保険の不正受給を行った場合
失業保険の不正受給にはペナルティがあります。
不正受給を行うと、受給した額を返還するのはもちろんのこと、以降の失業保険も受給できなくなります。
また、悪質な不正受給者には、受給額を超える高額な返還を命じられることもあります。
不正受給とみなされる例
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離職票の記載内容を書き換えた場合
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会社に頼んで記載内容を書き換えた場合
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失業認定申告書の申告内容に虚偽があった場合
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提出すべき書類を提出しなかった場合
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失業認定日に代理人を行かせた場合
失業中の病気やケガについて
失業保険の受給資格者に認定された後に、病気やケガをして15日以上就労不能な状態が続くと、失業状態とは認められず、失業保険に代わって同額の傷病手当が支給されます。
就労不能な状態が14日以内の場合は、失業保険が受給できますので、認定日にハローワークに行けない場合は、認定日を変更してもらうことができます。
また、医師の診断書などによって、次の認定日にまとめて失業認定を受けることもできます。
就労不能な期間が長期間となるときは、受給期間の延長か傷病手当の受給のどちらかを選ぶことが可能ですので、一度ハローワークに連絡しましょう。
同一の理由で、社会保険などの他の傷病手当を受給している場合は、雇用保険の傷病手当を受給することはできません。
高年齢求職者給付
高年齢求職者給付とは、65歳以上の雇用保険加入者の方が失業したときに支給される手当です。
雇用保険の加入期間が1年未満の場合は基本手当日額の30日分、1年以上の場合は基本手当日額の50日分が一括で支給されます。
失業保険と年金を一緒に受け取ることはできませんが、高年齢求職者給付は一時金の扱いとなるため、年金を受け取りながら受給できます。
高年齢求職者給付の支給対象は、下記の3要件を満たしている必要があります。
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65歳以上の雇用保険加入者
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退職日直前の1年間に雇用保険に加入していた期間が6か月以上あること
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現在失業中であるが、働く意思があり求職活動を行うこと
まとめ
今回は、失業保険の基本手当日額と受給期間、不正受給を中心に解説しました。
失業保険の基本手当日額は、最低限度額(一律2,059円)と、最高限度額(最高8,370円※年齢によって異なります)が決められていて、失業保険の受給期間は、原則、退職日の翌日から1年間です。
失業保険の不正受給にはペナルティがあり、悪質な場合は、受給額を超える高額な返還を命じられることもあります。
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も、働く人に知っておいてほしい様々な情報を掲載していきます。