失業保険とは、失業した人が再就職するまでの期間に、経済的な支援を受けることができる制度です。
失業保険は、利用する方が多く、失業期間中の生活に大きな影響を与えますので、下記の3回に分けて詳しく解説します。
「失業保険の退職理由(自己都合・会社都合)による支給日数の違い」
「失業保険の基本手当日額と受給期間、受給時に注意すること」
「失業保険の受給要件と受給手続き、失業中の求職活動について」
今回は、「失業保険の退職理由(自己都合・会社都合)による支給日数の違い」ということで、失業保険と支給日数について解説していきます。
失業保険とは
失業保険は、失業給付の一つの基本手当のことで、失業した人の失業期間中の生活を経済的な面で支える制度です。
ただし、失業保険は退職した方全員に支給されるものではなく、一定の要件を満たした方だけに支給されます。
失業保険が支給される要件は、下記の2点を満たす方です。
-
退職日以前の2年間に雇用保険の加入期間が12か月以上あること:雇用保険の加入期間とは、退職した日から1か月づつさかのぼって区切った期間に、出勤日数が11日以上ある月を加入期間1か月として計算します。
-
失業状態にあること:失業状態にあるとは、働きたいという意思があり、いつでも就職できる状態であり、求職活動を行っていても仕事が見つからない状態のことです。
失業保険の待期期間
失業した人が、退職後に、ハローワークで「休職の申し込み」を行い、失業保険の受給資格者に認定されたからといって、すぐに失業保険が支給されるわけではありません。
失業保険の受給資格者に認定された日から通算して7日間を待期期間といい、7日目の日を待期期間満了日といいます。この7日間は失業保険の支給の対象外となります。
この待期期間の7日間の間にアルバイトといった就労を行ってしまうと、就労した日は7日間にカウントされず、待期期間満了日が先送りされてしまいますので注意しましょう。
会社都合退職の場合の失業保険の支給について
退職理由が会社都合退職と認定された場合は、失業保険の受給資格者に認定された日から7日間が経過した日が待期期間満了日となり、その翌日から失業保険の支給対象日としてカウントされます。
1回目の失業保険は、待期期間満了日の翌日から1回目の失業認定日の前日までの日数の失業認定を受け、失業認定を受けた日数の合計金額が、指定の金融機関の口座に振り込まれます。
つまり、会社都合退職と認定された方が、1回目の失業保険として認定された金額が振り込まれるのは、ハローワークで失業保険の受給資格者に認定された日から約4週間後に、基本手当日額の20日前後の金額、2回目以降は4週間ごとに基本手当日額の28日前後の金額が振り込まれます。
自己都合退職の場合の失業保険の支給について
退職理由が自己都合退職と認定された場合は、失業保険の受給資格者に認定された日から7日間が経過した日が待期期間満了日となり、その翌日から2か月間は給付制限期間となり、給付制限期間終了日の翌日から失業保険の支給対象日としてカウントされます。
1回目の失業保険は、給付制限期間終了日の翌日から1回目の失業認定日の前日までの日数の失業認定を受け、失業認定を受けた日数の合計金額が、指定の金融機関の口座に振り込まれます。
つまり、自己都合退職と認定された方が、1回目の失業保険として認定された金額が振り込まれるのは、ハローワークで失業保険の受給資格者に認定された日から約12週間後に、基本手当日額の15日前後の金額、2回目以降は4週間ごとに基本手当日額の28日前後の金額が振り込まれます。
2020年10月1日より、給付制限期間が3か月から2か月に短縮されました。ただし、この給付制限期間の短縮は、5年間で2回の退職までに限定されており、5年間で3回目の退職を行ったときの給付制限期間は3か月です。
また、懲戒解雇などの理由で退職した方の給付制限期間は、今まで通り3か月です。
失業保険の支給日数
失業保険を受けることができる最高日数のことを、所定給付日数といいます。
所定給付日数は、退職日の年齢、雇用保険の加入期間、退職理由によって異なります。
会社の倒産や解雇などの理由により退職となった場合は、特定受給資格者となります。
また、有期労働契約の期間が満了して更新がないことで退職した方や、一定の正当な理由があると認定された方は、特定理由離職者となり、所定給付日数が特定受給資格者と同じとなります。
一般の受給資格者(自己都合退職や定年退職)と、特定受給資格者・特定理由離職者では、支給対象日の設定や所定給付日数が大きく異なります。
一般の受給資格者の所定給付日数
雇用保険の加入期間 | 1年未満 | 1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
全年齢共通 | - | 90日 | 120日 | 150日 |
一般の受給資格者(就職困難者:障害のある方など就職が困難な方)の所定給付日数
雇用保険の加入期間 | 1年未満 | 1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
45歳未満 | 150日 | 300日 | 300日 | 300日 |
45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日 | 360日 | 360日 |
特定受給資格者および特定理由離職者の所定給付日数
雇用保険の加入期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
特定受給資格者および特定理由離職者(就職困難者:障害のある方など就職が困難な方)の所定給付日数
雇用保険の加入期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
45歳未満 | 150日 | 300日 | 300日 | 300日 | 300日 |
45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日 | 360日 | 360日 | 360日 |
まとめ
今回は、失業保険の退職理由(自己都合・会社都合)による支給日数の違いを中心に解説しました。
失業保険は、失業した人の失業期間中の生活を経済的な面で支える制度で、会社都合退職(特定受給資格者・特定理由離職者)と自己都合退職によって、支給開始日および支給期間が異なります。
会社でのハラスメントや退職勧奨などで退職に追い込まれたときは、特定理由離職者に認定されるよう、退職前に準備しましょう。
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も、働く人に知っておいてほしい様々な情報を掲載していきます。