2022年度の地域別最低賃金が確定しました。最低賃金には、都道府県ごとに定められる地域別最低賃金と、特定の産業を対象に定められる特定最低賃金があります。
今回は、地域別最低賃金について解説していきますので、勤務先の都道府県の最低賃金と自分の賃金(時給)を比較して、自分の賃金が地域別最低賃金を下回っていないか確認しましょう。
最低賃金制度と、地域別最低賃金・特定最低賃金とは
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は労働者に対してその最低賃金額以上の賃金を支払わなければいけないとする制度です。
地域別最低賃金は、中央最低賃金審議会が賃金の実態調査結果といった各種統計資料などを参考に、都道府県を4つに分けて最低賃金の引き上げ額の目安を示し、都道府県ごとの地方最低賃金審議会が各都道府県の最低賃金を決定します。ですから、地域別最低賃金は、毎年各都道府県に1件ずつ、全部で47件が定められます。
特定最低賃金は、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認める産業に対して最低賃金を決定します。
2022年度の地域別最低賃金の引き上げ額
2022年8月2日の中央最低賃金審議会で、都道府県ごとに定める2022年度の最低賃金の引き上げ額は、1時間当たり31円程度の引き上げとするよう決定し、厚生労働大臣に答申されました。
この31円程度という引き上げ額は昨年の28円を上回り過去最大となります。
最低賃金が適用される方
地域別最低賃金は、産業や職種に関係なく、都道府県内の事業所で働くすべての労働者とその使用者に対して適用されます。
派遣労働者の最低賃金は、派遣元ではなく派遣先の最低賃金が適用されます。
最低賃金の対象となる賃金
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる賃金から割増賃金・通勤手当・皆勤手当て・家族手当などを除いた基本的な賃金が対象で、その賃金を時間当たりの金額に算出し直して、都道府県ごとに設定された2022年度の最低賃金と比較することで確認できます。
最低賃金の周知と守らなかったときの罰則
使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者の範囲、最低賃金額、含まれない賃金および効力発生日を常時事業所の見えやすい場所に掲示するなどの方法で周知する必要があります。
また、最低賃金法では、地域別最低賃金以上の金額を支払わなかった場合、50万円以下の罰金と定められています。
最低賃金の減額の特例許可制度
一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれがあるため、特定の労働者に対して使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として、個別に最低賃金を減額する特例が認められています。この制度はあくまで特例許可のため、一般的な労働能力の労働者に対して適用されることはありません。
地域別最低賃金の一覧
2022年度地域別最低賃金の改定状況
都道府県 | 2022年度最低賃金時間額()は2021年度 | 引き上げ額 | 発効年月日 |
北海道 | 920円(889円) | 31円 | 10月2日 |
青森 | 853円(822円) | 31円 | 10月5日 |
岩手 | 854円(821円) | 33円 | 10月20日 |
宮城 | 883円(853円) | 30円 | 10月1日 |
秋田 | 853円(822円) | 31円 | 10月1日 |
山形 | 854円(822円) | 32円 | 10月6日 |
福島 | 858円(828円) | 30円 | 10月6日 |
茨城 | 911円(879円) | 32円 | 10月1日 |
栃木 | 913円(882円) | 31円 | 10月1日 |
群馬 | 895円(865円) | 30円 | 10月8日 |
埼玉 | 987円(956円) | 31円 | 10月1日 |
千葉 | 984円(953円) | 31円 | 10月1日 |
東京 | 1072円(1041円) | 31円 | 10月1日 |
神奈川 | 1071円(1040円) | 31円 | 10月1日 |
新潟 | 890円(859円) | 31円 | 10月1日 |
富山 | 908円(877円) | 31円 | 10月1日 |
石川 | 891円(861円) | 30円 | 10月8日 |
福井 | 888円(858円) | 30円 | 10月2日 |
山梨 | 898円(866円) | 32円 | 10月20日 |
長野 | 908円(877円) | 31円 | 10月1日 |
岐阜 | 910円(880円) | 30円 | 10月1日 |
静岡 | 944円(913円) | 31円 | 10月5日 |
愛知 | 986円(955円) | 31円 | 10月1日 |
三重 | 933円(902円) | 31円 | 10月1日 |
滋賀 | 927円(896円) | 31円 | 10月6日 |
京都 | 968円(937円) | 31円 | 10月9日 |
大阪 | 1023円(992円) | 31円 | 10月1日 |
兵庫 | 960円(928円) | 32円 | 10月1日 |
奈良 | 896円(866円) | 30円 | 10月1日 |
和歌山 | 889円(859円) | 30円 | 10月1日 |
鳥取 | 854円(821円) | 33円 | 10月6日 |
島根 | 857円(824円) | 33円 | 10月5日 |
岡山 | 892円(862円) | 30円 | 10月1日 |
広島 | 930円(899円) | 31円 | 10月1日 |
山口 | 888円(857円) | 31円 | 10月13日 |
徳島 | 855円(824円) | 31円 | 10月6日 |
香川 | 878円(848円) | 30円 | 10月1日 |
愛媛 | 853円(821円) | 32円 | 10月5日 |
高知 | 853円(820円) | 33円 | 10月9日 |
福岡 | 900円(870円) | 30円 | 10月8日 |
佐賀 | 853円(821円) | 32円 | 10月2日 |
長崎 | 853円(821円) | 32円 | 10月8日 |
熊本 | 853円(821円) | 32円 | 10月1日 |
大分 | 854円(822円) | 32円 | 10月5日 |
宮崎 | 853円(821円) | 32円 | 10月6日 |
鹿児島 | 853円(821円) | 32円 | 10月6日 |
沖縄 | 853円(820円) | 33円 | 10月6日 |
全国加重平均額 | 961円(930円) | 31円 | – |
まとめ
今回は、2022年度の地域別最低賃金の引き上げを中心に解説しました。
最低賃金制度とは、使用者は労働者に対してその最低賃金額以上の賃金を支払わなければいけないとする制度で、地域別最低賃金とは、産業や職種に関係なく、都道府県内の事業所で働くすべての労働者とその使用者に対して適用されます。
使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者の範囲、最低賃金額、含まれない賃金および効力発生日を常時事業所の見えやすい場所に掲示するなどの方法で周知する必要があり、最低賃金法では、地域別最低賃金以上の金額を支払わなかった場合、50万円以下の罰金と定められています。
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も、働く人に知っておいてほしい様々な情報を掲載していきます。